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裏方部屋

「てまかえ」

ゆるさとゆとり

近年、「ゆるい」のがよしとされ、ボディケアも「ゆるめる」系が人気です。ゆるい=ラクに生きる、無理しない。そこは賛同するのですが、なんとなくゆるく流れる傾向に「怠惰でOK」の意味合いが加味されているようで気になっています。

ゆるくラクが心地よい。懸命、必死は恰好悪い!?

間違った「ゆるい」がもたらす、もったいない事業や商品


どんな状況にあろうと、突然の驚くような出来事に遭遇しようと、「ま、こんなこともあるさ!」「いいんじゃないの?気にしない!」とゆるーく楽観的に構えて、穏やかに事を眺める。肩の力を抜いて一歩引いた立ち位置から考えることには、私も大賛成です。私自身、そうありたいと心がけています。

ただ、この場合の「ゆるさ」とは、心の「余裕」や「ゆとり」。決して「曖昧でもよし」、「面倒なことをせずともよい」という意味合いではないと思うのです。

これまで、ゆるくやるのがよいと、明確な決断を避ける、細部を詰めずに走る、「まあまあ」「なあなあ」を容認していった結果、方針や方向性がブレブレになって、拡散していく……というクライアントさまを見てきました。

以前に、ダサイと素朴の違いについてお話ししたり、コラムを書いたことがあります。

両者の違いは、簡単に言えば、おカネをいただく価値のあるものか否か。

素朴=ダサイになるのは、センスの問題というよりも、商売やお客さまに対するつくり手の怠惰と傲慢に原因があるように思います。

私たちは、常に、クライアントさまの事業や商品・サービスの使い手であるエンドユーザーさまに、クライアントさまの「愛」がきちんと伝わっているかを重視しています。愛は、ゆるーくやってては伝わりません。懸命、必死になって、ものすごく突き詰めて、そぎ落として、残った大事なものを磨いていって初めて、ピンポイントで伝わります。

いま一歩のところで詰めが足りなくて、輪郭がゆるーくボケていて、中途半端でもったいないなぁと思う事業や商品、皆さまのまわりにもありませんか?


執筆者
永田 マミ

永田 マミ

各種講演、セミナー講師、シンポジウムコーディネーターほか、オリジナルワークショップ企画・実施&講師を務め、媒体制作等ではコトバによる表現(取材、コピー制作)編集作業も担当。 大手企業シンクタンクを経て政府系財団で農業雑誌編集長を11年務めた後独立。 2008年に地域と人の応援サイト【いちぐう】立ち上げ、ブランディングを始めとする総合プロデュース開始。


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